植物栽培で永年続けるには、必ず「適地適産」の法則に支配される。
ランの趣味の世界では・・・この法則がほとんど無視される。
温室をアレコレすれば・・・どうにか作れると思いがちであるが、
そういう小細工ではランは作れないことを痛感する破目になる。

そういうことで自生地視察となるのであるが、
そこで観察するのは・・・全部地上部の環境である。
地下部の環境は・・・ほとんど観察してこない。
地上部環境、気象条件・・・・。
それを例会、講習会などで説明。自生地再現栽培を試みるが・・・
ラン菌のこと視野にないという・・・・観察の視点に盲点があったのである。
ラン菌のことなど、この観察から削除されてきた。
最も大切な菌根の生態系観察である。
そういう観察の上に現在のラン栽培、原種栽培が行なわれてきたから、
30年、50年前のランがほとんど現存していない???
よほど大切にした株でないと、生き残ることは出来ない。
一例をあげれば・・・・
カタクリ。
近くの山から掘ってきて庭に植える。
ほとんど3年で絶種。
気象条件、環境などほとんど同じような近いところでも、こういうことが起こる。
これと同じことがシュンランでも、キンラン、ギンランでも起こる。
この原因が・・・ラン菌、材木腐朽菌が生息していないからである。
つまり、根圏の生態系の環境が・・・まるで違うからである。
こういうことが、これまでの本には全然書かれていない。
自生地巡礼も・・・・自生地に別な黴菌を運んだようなものである。
新発見の極めて少ない貴重なランの場合は、
近くまで足を運ばないことが・・・・遺伝資源保護になる。
本当にランを愛好しているなら・・・ラン菌の生態系を破壊してはならない。
土足厳禁であろう・・・。


温室の中は地球のアチラこちらに自生するランを同居。
そういう温室では、遺伝資源の保存どころではない。
まして、ランの適地というのは、ラン菌が生息するという絶対の条件。
この根本の適地条件を満たさない栽培では、
永年ランが元気というのは・・・・最初から無理なこと。

そういうことで、ランを育種しようとすれば、
交配親の保存ということが絶対必要であるが、
これが適地でない蘭園では、本当に難しいことになる。
育種が難しいのは、このオリジナルを生む交配親の保存なのである。
こういうことを知れば・・・・育種などするより・・・原種を輸入販売したほうが良い・・・。
そういうことになる。
そういうことでラン研究家は大勢いる・・・が・・・・ラン育種家は非常に少ない。
サンダースリストには多くの育種者が載るが、生涯で1から5の登録の人が多数。

ランの本当の適地は・・・ラン菌と共生しているコンポストでなければならない!
光、温度、湿度、通風・・・高冷地への移動などでプロはカバーするが、
そういうことは・・・・出来たが、
肝心、根本の「ラン菌生息」がないので、真の適地適産の栽培が不可能であった。
ようやく、SUGOI-neの発明で、植物栽培の根本がカバーされるようになった!
SUGOI-neは育種家にとっては「救世主」である。
遺伝資源の長期保存が可能になったからである。

遺伝資源の保存という点からみれば、
貴重な原種は・・・自生地に・・・・置くことが最良である!
日本に持ってくるというのは・・・????





 ランというものは、ありふれたランでも、どんなランでも美しい!
 珍種、変種でなくとも・・・・
 これからのラン愛好は・・・・
 スローな生き方をしているランであれば・・・・
 愛好も・・・じっくり腰を落として・・・何年も作りこむ愛好が望ましい。
 株を大切にする・・・・愛好。
 これが本来の愛培の姿である!
 東京ドームのラン展の大賞が、江尻先生のセロジネ。
 今年のデンドロ’ノビル’に与えられたが、これからの愛好の姿を示している。
 こういう・・・じっくりランに付き合う愛好は、生態系栽培である。
 SUGOI-neは、こういう栽培が無造作にできる。
 ラン菌が生きているからである。


 愛好の世界は・・・・珍品、名品を持ちたい気持ちの世界。
 18,19世紀の西欧で発行された夥しいボタニカルアート。
 原種の植物図鑑。
  自己満足と優越感を堪能する。
  ランの愛好の世界は・・・300年間、自生地から新種、珍種を採集して、
  楽しんできた。
  人間中心の世界観、植物愛好である。
  動物の狩猟の趣味、植物採集の趣味。
  日本では武将の鷹狩・・・・。
  西欧に貴族は・・・狩猟に明け暮れた・・・・。
  この愛好、趣味には「遺伝資源の保存」という思想も理念もない。
  そして、多くの動物、植物が絶滅危惧種、絶種に・・・。
 
  そして、現代になって・・・・ようやく遺伝資源の保存、生物愛護、自然保護・・・という理念が生まれ、
  ワシントン条約・・・。
  しかし、ランの趣味の世界、業界には・・・今なお遺伝資源の保存という思想は希薄。
  現在でも珍種、奇種の輸入が行われ、これを求める愛好者がいる。
  ただの珍種の花を見たいだけのもの。
  植物の適地適産など・・・全然カンケイナイ無謀な欲求。

  ランが種まきできない時代に行われた原種の採集、収奪。
  ナドソンの無菌播種法の発明は、原種の収奪に終止符を打つというもの。
  原種そのものを栽培するラン愛好から育種するランへの切り札であった。
  そして選抜された個体をメリクロンする・・・。
  それが、ラン栽培、愛好の姿と考えられていた。
  ところが・・・・19世紀に終った筈の原種のプラントハンター商売は、
  無菌播種出来ないラン、メリクロン出来ないランに・・・・
  昔も現代も・・・愛好の世界は珍種、希少価値に熱狂する。
  量産されたランは・・・草花。
  愛好の対象のランではない!
  戦前、東洋ランの世界では、東京に300の業者がいたという。
  チューリップ狂想と同じDNAが・・・・日本のラン愛好の世界に生き残っていた。
  経済大国は・・・熱狂を生む。
  
  原種、珍種はラン店の商売のためにある!
  需要のあるとろには供給するビジネスが生まれる。
  しかし、原種のランからみれば・・・・決して嬉しいことではない。
  相手のことを考えない・・・・。
  適地でない場所での栽培は、ランからみれば拷問みたいなもの。
  ランの愛好、普及のために、これからも・・・珍種、変種の輸入が・・・
  本当に必要なのか????
  栽培法が完成していないランを、栽培歴の浅い人が・・・・
  ラン菌の生息しないコンポストで、本当に永年愛培できるのか????
  考えてみれば・・・・
  珍種、変種といっても、現在のラン界を隆盛にさせるような、
  衝撃的なラン等、地球上に残ってはいない!
  素晴らしい遺伝子を持ったランというのは、ほとんど、19世紀で発見が終っている!
  鉢物、切花の産業にまで発展可能なランというのは。
  残っているのは・・・ちょっと栽培してみる・・・その程度のもの。
  枯れても・・・そんなに惜しいものではない。
  だから、ラン店は・・・カタログに載せる!
  カネで手に入るラン。
  そういうランは・・・売るほうからみれば・・・売ってもいい程度の価値もの。
  宇井清太も50年商売してきたから解かるが・・・・
  日本の不景気がラン界を直撃している。
  花の愛好の世界も・・・景気が良くて・・・成立する。
  経営を維持するには・・・形振りかまっておれない! 
  正論ではカネにならない! 
  
  地球の秘境・・・山深くに・・・ひっそりと命を繋いできた原種達。
  プラントハンターのラン採集というのは、
  アンデスの山に築かれたインカ王国を・・・・スペインの兵士が滅ぼしたのと、
  見方を変えれば・・・・同じなのかもしれない。
  日本に咲く原種ランは・・・・本当に喜んで咲いているのか????


 この視点から、もう一度じっくり考えて見る時期になっているのではないか???
  枯らさないラン栽培。

 
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日本の固有種の哺乳動物ニホンカワウソが絶種と認定された。
先には鳥の朱鷺。
一度絶種したものを再生するのは容易なことではない。
ips細胞でランのメリクロンのように大量培養出来るまでには・・・・。


ラン界、ラン商売というのは、園芸の中で非常に奇異のものである。
園芸の・・・ここまで増殖技術が進歩した中で、
今なお・・・18、19、20世紀のプラントハンターが活躍した時代の園芸が、
あたかも最も進んでいるような・・・錯覚に囚われる。
東京ドームのラン展を見ていると、原種栽培が素晴らしく価値があるような・・・
そんなことを見る人に感じさせる。
冷静に考察すると・・・・相当違う方向なのであるが・・・・
ラン村の中では山の草を栽培するのが、素晴らしいラン栽培のような状況。

なぜ、このようなラン世界が出来上がっているかといえば、
原種を栽培するのが難しいからである。
難しいランを作れるのは・・・一般人とは違うのだ!
優越感に浸れるのは・・・山掘り原種!
交配された大衆品などランではない!
だから、珍種を変種を・・・愛好者の陥りやすい・・・・方向である。
宇井清太も山形ラン友会を設立したから・・・この心理状態は・・・よーくわかる!
メンバーはなかなか増えない。
小さな村社会、結社のような世界を形成。
だから・・・・誰も持っていないようなランを・・・・。
自慢できるものを持たないと・・・・。
ここにランの愛好家の複雑な心がうごめいている。
だから、量産されている園芸種のラン等・・・ランではないとまで・・・・無視される。
しかし、原種、原種と騒ぎながら、ラン菌のことなどカンケイナイ!
原種の生態系を無視、削除したラン栽培。
こういう・・・安直なラン栽培が横行、普及してしまった。
上辺の自生地に学ぶラン栽培。
でも、根本がない栽培法。
だから、増殖も思うようにいかない。
そういうことで、輸入業者の商売が成立つ。
自生地からの収奪園芸である。
なんか、ラン栽培がカブトムシ、クワガタ愛好のレベルと同じようになっている。
本当のラン愛好なら・・・・
珍種、奇種を自生地から探すのではなく・・・・自分で育種して創るものである。
現在まで、日本に輸入された原種で・・充分なのではないか。
大騒ぎした原種なら、交配親として使って・・・・。
交配親にならない程度のラン原種なら、輸入する価値などほとんどないもの。
ラン遊びのつまみ食い程度のラン。

SUGOI-ne栽培なら、水ゴケ栽培よりずーと増殖するから、
増えたものを販売する程度で、需給のバランスは取れているのではないか。
例を上げれば・・・・・
ホームセンターにバーコード付きの原種「中国アツモリ」が100、200鉢と売られている。
売れたものも、売れ残ったものも・・・一年を待たずほとんど枯れる。
鉢の用土をみれば・・・とんでもないコンポストで植えられている!
これでラン普及など・・・念頭にもナイ商売。
これと同じ姿の商売がラン展の会場でも見られる。
こういうきびしい世の中になると・・・・枯れることを前提にしないと商売できない状況。
量産された園芸品種のランでは、愛好家は買ってくれないので・・・・
珍しいもの、貴重原種へのと・・・流れる商売。
売れるものが段々少なくなってゆく・・・。
売るものがなくなってゆく・・・・。
それが益々・・・価格低下、人離れを誘起している。
なんか、逆・・・逆に回転している感じ。

この回転を正常に戻せるのはSUGOI-neのみかもしれない。
ガーデニングの根本は、去年より今年・・・素晴らしい株になった。
素晴らしい花が咲いた。
この単純な喜びが・・・・ガーデニングの本来の姿であるからである。
高いカネを出して珍種を手に入れる喜びというのは、
ガーデニングの本来の素朴な喜びではない。
本当に世界に1株の珍種は・・・育種して作ればよいことなのであるが・・・・
育種は直ぐにカネにならない!
SUGOI-neは、ガーデニング、ランが喜ぶ栽培をサポートするもの。
健康なラン栽培をサポートするもの。
ラン展での「賞狙い」には・・・・あまり使ってもらいたくはない。
賞は・・・飽くまでも「結果」でありたい。
SUGOI-ne栽培での賞なら・・・・ラン栽培のレベルアップに貢献するからである。
ラン菌の生息しないコンポスト栽培の賞は、一発勝負のもので、
その技術は・・・ラン界全体の技術水準を上げるものではないからである。
自生地の生態系の栽培理論で栽培された素晴らしい鉢。
これがラン界を隆盛させるものである。
宇井清太のラン展会場で、SUGOI-neは5kg袋で約3000袋売れる。
山形県の人口は約100万人。
この人口で、これだけのSUGOI-neが売れるランを栽培している人いる。
どこの県にも・・・ランを大切にしている人がいる!
その90%はCymbidiumである。
ところが・・・・多くのラン店では・・・Cymbidiumなどランでない・・・と思っている。
原種を売るのがランの専門家の店だと思っている。
そういうことで、ランを大切にしている人達を・・・ホローしていない!
ラン友会のメンバーの頭数の何百倍もの・・・人達が近くにいるのに・・・・。

SUGOI-ne栽培の素晴らしいランは、
10年後、20年後のラン栽培を、現在とは比べることが出来ないくらいレベルアップさせる!
宇井清太は確信している。



原種というのは、日本カワウソにも見られるように、生態系が破壊され、
人間が乱獲すれば、簡単に絶種するものであるが、
ランの自生地では、人口増大に伴う食料生産のために・・・・原生林が伐採、
ダム建設で自生地水没。
ヤシ油を獲るために熱帯雨林の農地化。


そういうことであるが、ラン界は今が時代の分かれ目だと宇井清太は思っている。
植物の愛好の世界で、山から掘るのは・・・・当たり前と考えてきた業界である。
ワシントン条約が出来てからも・・・・・。
あの手、この手を使って・・他国から原種を渉猟して愛好家に供給するのが、
ラン商売の「熱心」「努力」・・・・と評価されてきた業界である。
しかし・・・・・
時代が少しづつ変化している。

現在の原種商売というのは、ギリギリの狭間での商売。
考えてみれば、ランを愛好するのに、本当に世界の秘境に自生するランが・・・・
自分の温室に必要なのか・・・・・。
自分が・・・・このランを栽培するほどの人か????
珍種、貴重種を・・・自分が栽培しても良いのか????
そういうことを・・・一度立ち止まって考える必要があるのではないか?
本当に花が美しいランは、日本に導入され尽くしている。
残っているのは・・・・鉢物、切花で産業になれるランではない。
珍奇、珍種。
そういうものを追うよりも、見たい花があれば、それを自分で交配して作ればよい。
育種は誰も彼もできるものではないが・・・・
50歳、定年後にランを始めれば・・・・育種という夢の領域は最初から無理、捨てなければならない。
そういうことで、こういう人達に・・・商売するとすれば・・・その日からでも始められる原種となる。
 しかし、育種しない・・・
そういうことをしないで、自然が作った物から・・・手に入れるとすれば、
必ず・・・・絶種という問題が出る。
日本の山から珍しい植物は・・・ほとんど姿を消した。
いつの間にか洋蘭界が・・・・ラン科植物の山野草栽培になっている!
そして・・・水ゴケも日本の山には・・・もう・・・ナイ。
日本の都会の住宅密集地の中で、秘境に生きる原種のランを作る・・・。
そこにどんな意味があるのか・・・・。

一代限りのラン商売?
息子の代では・・・商売になるランが枯渇することになる。
ラン資源にも限りがある。
宇井清太がこういうことを書く、書かないの問題ではなく、
日本経済の低迷は・・・・ラン界を足もとから考える・・・機会を与えてくれたのかもしれない。
そういうことが見えてきたのが・・・・丁度・・・今なのではないか?
ランの愛好家は・・・ランに熱狂するが・・・・視野を狭くする。
ラン愛好家は・・・・自然愛好家だと世間は思っているが、
実は、自然破壊者という目で見られているかもしれない。
なぜなら・・・・。
ランの自生地を・・・・ラン愛好家の組織が・・・・自生地再生を行ったという話を聞いたことがない。
自生地から株を収奪して、ラン展に出している????
そう思う人だって世の中にはいる。
合法的に栽培したランでも・・・法的には問題はなくとも・・・・。

地球にやさしい・・・・。
そんな言葉が歩いている。
エコカーも走る世の中になった。

エコランというランが・・・・21世紀のランになるかもしれない。
SUGOI-ne栽培の菌根を持ったランである。
デンドロは・・・素晴らしい花保ち。
そして毎年咲く・・・・。
そういう鉢物の登場が・・・ランの面目を一新する。

地球の全てのラン原種が発見され尽くのも・・・・そう遠くの未来ではない。
ワシントン条約後、多くのパフィオの新種が見つかっているが、
それが素晴らしい遺伝子を持っているわけではない。
素晴らしいパフィオの美の世界を拓く・・・・ものは極めて限られている。
ランの市場から見た時・・・ほとんど価値が見られないが、
生物の多様性としての価値。
これを日本で栽培する愛好に意味があるのか・・・ないのか。
業者も思案のしどころの局面が・・・・現在である。

そういうことで、SUGOI-neが・・・これからランの新世界を開花させる!

kouza 1dc

ニホンカワウソ 絶滅種に   
   
次の世代にランを残す
   
遺伝資源を保存する愛好。
     こういうことを考えなければならない時代になっている!

    
次々にランを使い切るラン界。
    
原種、品種を食いつぶす・・・・
   
 愛好の流行、廃れに・・・・翻弄されるラン界。
   
 この先に本当にラン界の隆盛はあるのだろうか??